フィナステリドは本当にやばい?性欲減退や初期脱毛、安全性について解説
AGA治療を検討しているものの、「性機能に悪影響がある」「EDになるリスクが高い」といった「やばい」という情報を見て、治療を始めるべきか迷ってしまうのは当然のことです。しかし、フィナステリドが本当に「やばい」薬なのかを判断するためには、客観的なデータと正確な情報を知ることが重要です。
本記事では、なぜフィナステリドが「やばい」と言われるのかその理由を明確にし、実際の副作用発生率や安全な服用方法について詳しく解説していきます。正しい知識を身につけることで、安心してAGA治療に取り組んでいただけるはずです。
フィナステリドがやばいと言われる2つの理由

フィナステリドは、AGA(男性型脱毛症)治療において広く用いられている内服薬です。AGAの進行に関与する男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制することで、抜け毛を減らし、薄毛の進行を遅らせることが期待されます。
理由1|性欲減退や勃起不全などの副作用が起こる可能性がある
一部で「フィナステリドはやばい」といった声が聞かれることがありますが、その理由の一つとして、特に懸念されるのが、性機能に関連する副作用です。具体的には、性欲減退、勃起機能不全(ED)、射精障害、精液量の減少などが報告されています。
これらの副作用の発生頻度は、数%程度と決して高くはありませんが、男性にとっては非常にデリケートな問題であるため、不安を感じる方がいるのは自然なことです。また、頻度は稀ですが、抑うつなどの精神的な症状や、肝機能障害が報告されることもあります。
理由2|治療開始初期に一時的に抜け毛が増えることがある
「フィナステリドはやばい」と言われるもう一つの理由として、治療開始初期に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が挙げられます。しかしこの症状は、通常1~3ヶ月程度で落ち着く一時的なものです。
乱れたヘアサイクルが正常化に向かう過程で、古い毛髪が新しい毛髪に押し出されるために起こると考えられており、治療効果が現れている兆候とも言えます。
参考:KEGG「フィナステリド」
フィナステリドの効果や安全性は多くの臨床試験や長年の使用実績によって確認されている
フィナステリドは、AGA(男性型脱毛症)治療薬としての有効性と安全性について、国内外で数多くの臨床試験が実施されてきました。
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」によると、日本人症例を含む臨床試験結果と副作用発現率をまとめ、フィナステリド(0.2 mg/日・1 mg/日)の長期安全性を「推奨度 A」で評価しています。
さらに、フィナステリドは実際に医療現場で使用され始めてから20年以上の長期にわたる使用実績があります。この長期間の使用実績に関する報告の中では、長期間服用を継続したからといって副作用の現れる割合が特に増加するわけではないことや、使用に関連した重大な健康被害は認められていないことが示されています。
もちろん、医薬品である以上、副作用のリスクが皆無というわけではありません。一部の報告においては、副作用や安全性に関するデータの収集方法や報告体制の質について、さらなる改善の余地があるといった指摘がなされることもあります。
しかしながら、これまでに積み重ねられてきた多くの臨床データや豊富な使用経験を総合的に評価すると、フィナステリドのAGA治療に対する効果と安全性は十分に裏付けられていると言えるでしょう。
フィナステリドの主な副作用と発現率
フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)治療において有効性が認められている一方で、いくつかの副作用が報告されています。これらの副作用の発生頻度は全体的に低いものの、服用を検討する際には理解しておくことが重要です。
<全体的な副作用発現率(国内臨床試験)>
フィナステリド0.2mg | 1.5%(2/137例) |
---|---|
フィナステリド1mg | 6.5%(9/139例) |
プラセボ群 | 2.2%(3/138例) |
主な副作用として挙げられるのは、性機能に関するものです。具体的には、性欲減退が約1~5%未満、勃起機能不全(ED)が1%未満、射精障害や精液量の減少が1%未満の頻度で報告されています。
これらの症状は、フィナステリドが男性ホルモンに影響を与えることに関連していると考えられています。多くの場合、これらの副作用は軽度であり、多くの場合フィナステリドの服用中止で改善していきます。
その他には、頻度は稀ですが、肝機能障害が起こる可能性も指摘されています。また、精神的な症状として、抑うつ症状や気分の落ち込みなどが報告されることもありますが、その発生頻度は低く、現状ではフィナステリドとの因果関係は明らかにはなっておりません。
さらに、過敏症として、発疹、じんましん、そう痒感といった皮膚症状や、乳房に関連する症状として、乳房の圧痛や肥大なども1%未満で報告されています。
これらの発生率は、臨床試験のデータや市販後の調査に基づいており、報告によって多少の幅がある場合があります。フィナステリドの服用中に何らかの体調変化を感じた場合は、自己判断せずに速やかに医師や薬剤師に相談することが大切です。
フィナステリドを安全に服用するための注意点3つ
フィナステリドはAGA治療において有効性が期待できる一方で、医薬品である以上、安全に服用するためにはいくつかの注意点があります。これらを守ることで、副作用のリスクを最小限に抑え、安心して治療を継続することにつながります。
注意点1|必ず医師の処方で正規品を服用する
フィナステリドを服用する上で最も重要な注意点の一つは、必ず医師の診断と処方に基づいて、医療機関で提供される正規品を使用することです。医師は、AGAの診断はもちろんのこと、患者さん一人ひとりの健康状態や体質を考慮し、フィナステリドの服用が適切かどうかを判断します。
近年、インターネットを通じて個人輸入などの非正規ルートでフィナステリドを入手するケースも見られますが、これには大きなリスクが伴います。
個人輸入品の中には、有効成分の含有量が不正確であったり、不純物が混入していたりする偽造薬や品質の低い薬が含まれている可能性があり、期待した効果が得られないばかりか、予期せぬ健康被害を引き起こす恐れもあります。
また、万が一副作用が現れた場合にも、適切な対処が遅れたり、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外になったりする可能性があるため、注意が必要です。
信頼できる医療機関で処方される正規品であれば、品質が保証されており、医師や薬剤師から正しい用法・用量、副作用に関する説明を受けることができます。安全かつ効果的な治療のためにも、必ず正規のルートで入手するようにしてください。
参考:厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」
注意点2|肝機能障害やうつ病の既往がある場合は事前に申告する
フィナステリドの服用を開始する前には、ご自身の既往歴や現在の健康状態、服用中の他の薬剤について、正確に医師に伝えることが極めて重要です。
特に、肝機能障害の既往がある方や、現在肝機能が低下している方は注意が必要です。フィナステリドは主に肝臓で代謝されるため、肝機能が低下していると薬の成分が体内に蓄積しやすくなり、副作用のリスクが高まる可能性があります。
また、うつ病や不安障害などの精神疾患の既往がある方、あるいは現在治療中の方も、事前に必ず医師に申告してください。フィナステリドの副作用として、頻度は稀ですが抑うつ気分などが報告されています。そのため、医師はこれらの既往歴を把握した上で、服用の可否や経過観察の方法などを検討する必要があります。
注意点3|副作用が出た場合はすぐに医師に相談する
フィナステリドの服用中に、性欲減退、勃起機能不全(ED)、肝機能の低下を示唆する症状(倦怠感、食欲不振、黄疸など)、気分の落ち込み、皮膚の発疹やかゆみなど、何らかの体調変化や気になる症状が現れた場合は、自己判断で服用を続けたり、あるいは急に中止したりせず、速やかに処方を受けた医師に相談してください。
医師は、現れた症状の原因がフィナステリドによるものなのか、他の要因によるものなのかを判断し、症状の程度や内容に応じて適切な対応を行います。場合によっては、フィナステリドの減量や一時的な休薬、あるいは他の治療法への変更などを検討することもあります。
副作用の兆候に気づいた際に早期に医師に相談することは、症状の悪化を防ぎ、安全に治療を継続するために非常に重要です。医師とのコミュニケーションを密にし、安心して治療に取り組めるようにしましょう。
性欲減退や勃起機能不全(ED)が不安な人は、SDHクリニックではタダラフィル2.5mg(低用量シアリス)と亜鉛10mgが一緒服用ができる「タダラケア」を用意しており、一緒に処方を行うことも可能です。
まとめ|フィナステリドは適切に使用すれば安全性の高いAGA治療薬
フィナステリドが「やばい」と言われる理由は、主に性機能に関する副作用と初期脱毛への不安によるものです。
しかし、これらの副作用の発生率は決して高くなく、性機能障害は1~5%未満、その他の副作用も1%未満と限定的です。初期脱毛についても、治療効果の現れを示す一時的な現象であり、1~3ヶ月程度で落ち着きます。
重要なのは、フィナステリドの安全性と有効性が20年以上の使用実績と多くの臨床試験によって証明されており、日本皮膚科学会でも「推奨度A」として評価されていることです。長期間の服用により副作用が増加するという報告もなく、適切な医学的管理のもとで使用すれば安全性の高い治療薬と言えます。
安全に服用するためには、必ず医師の処方による正規品を使用し、既往歴を正確に申告し、副作用が現れた際は速やかに医師に相談することが重要です。個人輸入などの非正規ルートは品質や安全性に問題があるため避けるべきです。
フィナステリドは正しく使用すれば、多くの男性にとって有効で安全なAGA治療の選択肢となるでしょう。
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