2025/09/04

シアリスの副作用を徹底解説!症状別の発現率と受診すべきサインを紹介

シアリス(タダラフィル)は、ED治療薬として多く処方されている有効な薬剤ですが、医薬品である以上、副作用についても正しく理解しておくことが重要です。シアリスの副作用は、頭痛や顔のほてり、鼻づまりなどが代表的な症状として報告されています。多くの場合、軽度で一時的なものですが、まれに重篤な副作用が現れることがあるため注意が必要です。

この記事では、シアリスの主な副作用とその発現率、副作用が起こる仕組み、そして危険な症状を見分けるポイントについて詳しく解説します。また、副作用を予防するための具体的な方法も紹介しますので、安全にシアリスを使用するための参考にしてください。

シアリスの主な副作用は?発現率もグラフで紹介

(KEGG「シアリス」を参考に編集部作成)

シアリス(タダラフィル)は、ED治療薬として広く処方されていますが、他の医薬品と同様に副作用が現れる可能性があります。

その多くは、軽度で一時的なものがほとんどですが、まれに重篤な副作用が起こることもあるため、どのような症状があるかを知っておくことが重要です。

主な副作用1|頭痛

シアリスの副作用として最も報告が多いのが頭痛です。これは、シアリスの血管拡張作用により、脳の血管が急に広がることで神経が刺激されるために起こると考えられています。

多くの場合、薬の効果が薄れるとともに自然に解消されますが、痛みが強い場合は市販の鎮痛剤(アセトアミノフェンやロキソプロフェンなど)を服用することで対処できます。

主な副作用2|顔のほてり

頭痛と同様に、血管拡張作用によって顔の血流が増加し、顔が熱っぽく感じられたり、赤くなったりする「ほてり」もよく見られる副作用です。特に飲酒時に症状が出やすい傾向があります。これも一時的な症状であり、通常は数時間で治まります。

主な副作用3|鼻づまり

鼻の粘膜にある血管が拡張することで、鼻が詰まったり、鼻水が出たりすることがあります。風邪の初期症状と似ていますが、これも薬理作用による一時的なものです。薬の効果が切れる頃には自然と解消されます。

主な副作用4|消化器症状

シアリスの成分が、食道や胃の筋肉(平滑筋)に影響を与えることで、胸やけや胃もたれ、腹痛、消化不良といった症状が現れることがあります。特に食事の直後や、脂肪分の多い食事を摂った後に服用すると出やすいとされています。

主な副作用5|筋肉・骨格症状

シアリスに特有の副作用として、背中の痛みや筋肉痛、四肢の痛みなどが報告されています。これは有効成分タダラフィルが、勃起に関わる酵素(PDE5)以外に、筋肉に関連する酵素(PDE11)にもわずかに影響を与えるためと考えられています。通常は軽度で一過性の症状です。

主な副作用6|精神・神経症状

頻度は低いですが、めまいや眠気、不安感といった精神・神経系の症状が報告されることもあります。血管拡張による一時的な血圧の変動が原因で起こることが考えられます。車の運転や危険な機械の操作を行う際は注意が必要です。

まれな重篤な副作用|持続勃起症、急激な視力・聴力低下、心筋梗塞など

頻度は極めてまれですが、以下のような重篤な副作用が起こる可能性も報告されています。

持続勃起症(プリアピズム)性的興奮がないにもかかわらず、4時間以上勃起が続く状態です。放置すると勃起機能に永久的な損傷を与える可能性があります。
急激な視力低下・視野異常まれに、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)という、片目または両目の急な視力低下や視野の欠損が報告されています。
急激な聴力低下突発的な難聴や耳鳴り、めまいを伴う聴力低下が起こることがあります。
心血管系の症状狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの重篤な心血管系の副作用も報告されています。特に心臓に持病がある方は注意が必要です。

これらの症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。

シアリスの副作用が起こる主な原因は血管拡張作用

シアリス(タダラフィル)がEDに効果を発揮する基本的な仕組みは、陰茎の血管を弛緩・拡張することで、血流を増加させる「血管拡張作用」にあります。この作用こそが、力強い勃起をサポートするのです。

しかし、この血管拡張作用は陰茎だけでなく、全身の様々な部位の血管にも影響を及ぼすため、結果として現れるのが、シアリスの代表的な副作用です。

例えば、脳の血管が拡張することで神経が刺激されれば「頭痛」が起き、顔の皮膚に近い血管が広がると「顔のほてり」として感じられます。同様に、鼻の粘膜の血管が拡張すれば「鼻づまり」が、消化器系の血管や筋肉に作用すれば消化不良が起こることがあります。

これらの副作用の多くは、薬が体内で意図した通りに作用している証拠とも言えるため、症状は一般的に軽度であり、薬の効果が薄れるにつれて自然に解消されていくのが特徴です。

シアリスの副作用で受診すべき3つの目安

前述したように、シアリスの副作用の多くは軽度で一時的ですが、中には直ちに医療機関を受診する必要がある危険な症状も存在します。以下に示す3つの目安は、ご自身の安全を守るために必ず覚えておいてください。

目安1|4時間以上持続する勃起(持続勃起症)

性的興奮や刺激がないにもかかわらず、勃起が4時間以上おさまらない状態を「持続勃起症(プリアピズム)」と呼びます。これは、陰茎からの血液の排出がうまくいかなくなり、海綿体内の圧力が高まり続ける緊急事態です。

放置すると、陰茎の組織が損傷し、永続的な勃起不全(ED)や組織の壊死に至る危険性があります。痛みを伴う場合も伴わない場合もありますが、いずれにせよ4時間を超えて勃起が続く場合は、直ちに泌尿器科や救急外来を受診してください。

目安2|急激な視力低下・視力喪失、または急な聴力低下

ごくまれに、シアリスの服用後に感覚器に重篤な症状が現れることが報告されています。具体的には、片目または両目の「急激な視力低下」や「視野の一部が欠ける」といった症状です。

これは非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)と呼ばれる状態で、視神経への血流が途絶えることで起こります。また、同様に「突然音が聞こえなくなる」「耳鳴りやめまいを伴う聴力低下」といった症状も報告されています。

これらの感覚器の異常を感じた場合は、薬の服用を直ちに中止し、速やかに眼科や耳鼻咽喉科、救急外来を受診してください。

目安3|胸痛・息切れ・意識障害などの心血管症状や重度のアレルギー反応

シアリスの服用後に、狭心症や心筋梗塞を疑うような「胸の痛み」「胸の圧迫感」「息切れ」といった心血管系の症状が現れた場合は、命に関わる可能性があるため、直ちに救急車を呼んでください。また、頻度は極めて低いですが、重度のアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性もゼロではありません。

「全身に広がる発疹」「顔、唇、まぶた、喉の腫れ」「呼吸困難」「意識がもうろうとする」といった症状はアナフィラキシーの兆候であり、極めて危険な状態です。これらの場合も、ただちに救急医療機関を受診してください。

シアリスの副作用を予防するための3つのポイント

シアリスは、医師の指導のもと正しく使用すれば安全性の高い薬ですが、いくつかのポイントを守ることで、副作用のリスクをさらに低減させ、より安心して効果を得ることができます。ここでは、副作用を予防し、安全に治療を進めるための重要なポイントを3つ解説します。

ポイント1|用法・用量を必ず守り、自己判断で増減しない

最も基本的ながら最も重要なのが、医師から処方された用法・用量を厳守することです。シアリスの用量は、個々の健康状態、年齢、症状の程度などを考慮して、医師が安全かつ効果的と判断した量に設定されています。

効果を高めたいからといって自己判断で処方された量以上に服用すると、血中濃度が過度に上昇し、頭痛や動悸、血圧低下といった副作用のリスクが大幅に高まります。逆に、量を減らすと十分な効果が得られない可能性があるため、必ず指示された量を守り、もし効果や副作用に不安がある場合は、自分で調整せず、必ず処方した医師に相談してください。

ポイント2|アルコールや他の薬との併用に注意する

特定の薬やアルコールとの併用は、シアリスの副作用を増強させる可能性があるため、十分な注意が必要です。

アルコール(飲酒)適量のアルコールはリラックス効果をもたらしますが、多量に摂取すると、アルコールとシアリス双方の血管拡張作用が重なり、急激な血圧低下を引き起こす危険性があります。シアリス服用時の飲酒は、嗜む程度に留めましょう。
併用禁忌薬特に注意が必要なのが、狭心症の治療薬であるニトログリセリンなどの「硝酸薬」です。これらを併用すると、生命に危険が及ぶほどの急激な血圧低下を招くため、絶対に併用してはなりません。
併用注意薬前立腺肥大症の治療に用いられるα遮断薬や、特定の降圧薬、抗真菌薬なども、併用することで血圧に影響を与えやすいため、必ず事前に医師や薬剤師に現在服用中の薬をすべて伝えることが重要です。

ポイント3|副作用が出やすい体調・状況を避ける

体調や服用時の状況も、副作用の現れやすさに影響します。副作用のリスクを避けるためには、ご自身のコンディションにも配慮することが大切です。例えば、脱水状態では血中の薬物濃度が相対的に高くなり、副作用が出やすくなる可能性があります。服用前にはコップ一杯程度の水を飲むことを心がけると良いでしょう。

また、睡眠不足や過度の疲労、空腹時なども、めまいやふらつきといった副作用を誘発しやすくなります。心身ともにリラックスした、体調の良い状態で服用することが、安全に効果を得るための秘訣です。

まとめ|シアリスの副作用が強い場合は医師に相談しよう

シアリス(タダラフィル)は効果的なED治療薬ですが、血管拡張作用により頭痛、顔のほてり、鼻づまりなどの副作用が現れることがあります。多くは軽度で一時的ですが、4時間以上の持続勃起、急激な視力・聴力低下、胸痛などの重篤な症状が現れた場合は直ちに医療機関を受診してください。

副作用を予防するためには、処方された用法・用量を厳守し、アルコールや併用禁忌薬との併用を避け、体調の良い状態で服用することが重要です。副作用の程度や頻度は個人差が大きいため、気になる症状がある場合は一人で悩まず、必ず処方医に相談しましょう。

SDHクリニックでは、副作用についての相談はもちろん、ED治療をより効果的にサポートするため、ED症状の改善に有効なタダラフィルと精力増強に有効な亜鉛が一つとなった「タダラケア」も処方しています。毎日の服用により男性機能の回復や活力向上が期待でき、総合的なED治療のサポートが可能です。

シアリスが体質に合わないと感じる場合も、ぜひ一度医師に相談してみてください。

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参考文献:
タダラフィルの長期安全性・忍容性試験
PDE5阻害薬の副作用に関するWHO薬物監視データベース分析
PDE阻害薬による視覚障害の病態生理
PDE5阻害薬の薬理学
タダラフィルの作用機序と病態生理

監修者:SDHクリニック